第十三回 福原 徹 演奏会
徹の笛
日時
2023年6月29日(木)
開演
19時開演(18時30分開場)
会場
国立劇場小劇場
東京都千代田区隼町4-1 TEL 03-3265-7411(代表)
演目
もみぢ葉、さあらば鈴を参らせう、薪荷雪間の市川 -山廻り-、五調七管、初音曲
主催
「徹の笛」実行委員会
後援
日本伝統文化振興財団、邦楽ジャーナル、邦楽の友社
第十二回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2022年12月2日(金)
開演
第1回:14時30分開演(13時30分開場)
第2回:19時開演(18時開場)
会場
紀尾井小ホール
演目
翁三番叟、京の夜、イサクとリベカ、二調一管
主催
「徹の笛」実行委員会
後援
公益財団法人日本伝統文化振興財団、有限会社邦楽ジャーナル、邦楽の友社
振り返って
コロナ禍の様子を見ているうちに時が過ぎてしまいましたが、なんとか継続しなくてはということで開催しました。
なかなか先が見えず落ち着かない状況の中、何よりもまず、古典の三番叟ものを演奏したいという思いに駆られ、河東節「翁三番叟」を取り上げることにしました。
そのほか、笛一人+囃子二人という編成の新作「二調一管」など、和の楽器・声のみによるプログラムとなりました。
前回同様、様々な対策を講じ、座席数も半減して開催しました。お客様を舞台からお見送りするアンコール曲も演奏しました。
また、これまでは平日の開催と言えば当然のように「夜公演」だったのですが、夜の外出を敬遠するかたが増え、リモートワークの普及などもあり、初めての「昼夜二回公演」を実施しました。結果的に、予想よりも多くのお客様にご来場いただきました。
第十一回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2020年11月30日(月)
開演
19時開演(18時開場)
会場
銀座 王子ホール
演目
山桜の歌、熊野、リチャード三世の独白、クローリスヘ、千年の桜
主催
「徹の笛」実行委員会
後援
公益財団法人日本伝統文化振興財団、有限会社邦楽ジャーナル、邦楽の友社、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
助成
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
振り返って
この年に始まったコロナ禍。多くの催しが延期・中止される混乱の中、開催できるのか?開催するとしたらどのようにすれば良いのか?お客様はお越しくださるのか?
座席数の半減、マスク着用・検温・消毒・緊急連絡先情報提供などのお願い、舞台上での演奏者配置の検討…不安を抱きつつ当日を迎えることとなりました。
箏曲「熊野」を箏と笛の一対一で演奏。シェイクスピア/逍遙「リチャード三世」のモノローグを用いた新作。笛とピアノによる「千年の桜」(2020年版)など、前年から決めてあった通りのプログラムで開催しました。当初から三名だけの出演者で企画していたということも幸いでした。また、終演後のロビー混雑を防ぐため、アンコール曲を演奏しながらお客様をお見送りするという策も実施しました。
お客様の多大なご理解・ご協力を賜り、お蔭様で当日も事後も事故なく終えることが出来ました。多くのお客様から、開催を喜んでくださった感想も頂戴しました。
第十回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2019年4月27日(土)
開演
15時開演
会場
紀尾井ホール
演目
樹々の密、みち、Dona nobis pacem、獅子、千年の桜
主催
「徹の笛」実行委員会
後援
公益財団法人日本伝統文化振興財団、有限会社邦楽ジャーナル、邦楽の友社
振り返って
「徹の笛」と題したこのリサイタルシリーズも、ようやく十回目を迎えました。
節目の会ということで、前回から1年5か月の準備期間を置き、久々に紀尾井ホール(1階)で開催しました。
六世福原百之助師(四世寶山左衞門師)の代表作「樹々の密」を、様々な世代の笛方と共に、舞台のみならず舞台両サイド二階も活用し立体的に展開して演奏。
委嘱した新しい詩による、笛・謡・大鼓という編成の新作。
第二回に初演した、笛と児童合唱による作品を改訂し再演。
能管の独奏で「獅子」。
そして、ライフワーク化しつつある「千年の桜」(2019年版)。
この会としては、これまでで最も多彩かつ重量級のプログラムになりました。
なお、今後の継続性を鑑みて、今回から実行委員会主催となりました。
第九回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2017年11月30日(木)
開演
19時開演
会場
紀尾井小ホール
演目
長唄 安宅の松より、solo 06、竹の踊/白い月、ハムレット
主催
福原 徹
後援
公益財団法人日本伝統文化振興財団、有限会社邦楽ジャーナル、邦楽の友社、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
助成
公益財団法人新日鉄住金文化財団
振り返って
二年前の「マクベス」に続いて、今回は、「シェイクスピア/逍遙」作品との最初の出会いとなった「ハムレット」に、改めて取り組むこととなりました。編成を変えてたびたび再演してきましたが、この「徹の笛」で取り上げるのは今回が初めてです。次回は第十回、節目の会になるので、それとは異なる形の会にしたいという思いもありました。
2009年に初めて「ハムレット」を発表した時から、笛がいわゆる「劇伴」や「効果音」にならぬよう気をつけて来たつもりでしたが、どうしても言葉の力に押され気味となってしまいます。
そこで今回は、器楽も含め各パートに役を明確に割り振ることにして、笛には「エルシノア城」という役を与え、舞台上の配置も笛方が中央の台に座す形をとりました。
そのほか、全く雰囲気の異なる師匠の作品と自分の小品を対にして演奏するなど、いろいろ工夫したプログラムを満員のお客様にお聴きいただきました。
第八回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2016年11月30日(水)
開演
19時開演
会場
東京文化会館小ホール
演目
三番叟、solo 05、シャコンヌ、京の夜、千年の桜
主催
福原 徹
後援
公益財団法人日本伝統文化振興財団、有限会社邦楽ジャーナル、邦楽の友社
振り返って
以前から、いずれこの東京文化会館小ホールで開催したいと願っており、今回それが実現することとなりました。あらためて申すまでもなく、ここは音楽界の人々にとって格別の場です。そして、子供の頃ここの大ホールでたびたび歌い、大学時代はこの建物の前を歩いて通い、私自身いろいろと思い出の多い場所でもあります。
由緒あるホールでの「徹の笛」は、おのずとこれまでの成果や課題を改めて見つめ直すようなプログラムとなりました。
2004年の第二回「徹の笛」で発表して以来12年間たびたび形を変え発表し続けてきた「千年の桜」を、今回は笛・尺八・太棹・ピアノのバージョンで。
また、バッハの「シャコンヌ」を、笛とピアノによるバージョンで取り上げました。
響きの良い歴史あるホールで、おおぜいのお客様に現在(2016年当時)の「徹の笛」をお聴きいただけたのではないかと思います。
第七回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2015年11月30日(月)
開演
19時開演
会場
紀尾井小ホール
演目
越後獅子、solo 04、マクベス〜シェイスクピア作 坪内逍遥訳による〜
主催
福原 徹
後援
公益財団法人日本伝統文化振興財団、有限会社邦楽ジャーナル、邦楽の友社、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
助成
公益財団法人新日鉄住金文化財団
振り返って
これまでも笛と他の楽器、あるいは声とのコラボレーションを続けてきましたが、2009年に坪内逍遙訳「ハムレット」の詞章を用いた、笛と謡による作品を発表する機会を得ました。その後、太棹や尺八を加えた編成で、早稲田大学や岐阜県美濃加茂市(逍遙の故郷)、浜松などで、手を入れつつ再演を重ねました。
その成果を踏まえ、今回は新たに「マクベス」を取り上げました。笛、謡のほか、一中節浄瑠璃方の声、囃子という4人のみの編成で、いわゆる新作能や新作浄瑠璃ではなく、また芝居の伴奏音楽でもない、新しい形を模索しました。この「徹の笛」は毎回コンサートホールで開催してきましたが、今回は演者の動きも含めた作品なので、和の舞台である紀尾井小ホールを会場に選びました。
少人数の編成による新たなスタイルでの試みで、お客様からも多くの様々な反響を頂戴しました。
第六回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2014年11月28日(金)
開演
19時開演(18時30分開場)
会場
銀座 王子ホール
演目
明の鐘、solo 03、ゴルトベルク変奏曲
主催
福原 徹
後援
公益財団法人日本伝統文化振興財団、有限会社邦楽ジャーナル、邦楽の友社
助成
邦楽振興基金
振り返って
前回の会の準備を進めて行く中で、なぜか今度は「ゴルトベルクだ」という思いが強くなり、この回はバッハ「ゴルトベルク変奏曲」をメインに据えることとなりました。
2002年から一年間、隔月で連続開催した「徹の笛 in MUSICASA」では毎回アンコール曲としてバッハの作品を選び、また第三回の「徹の笛」では「シャコンヌ」を取り上げました。常々バッハの「うたごごろ」のようなものに惹かれ続けているのですが、本来は鍵盤楽器独奏であるこの作品を、笛とピアノで、と考え、今回は中川さんと「長い旅」(作品そのものも長大、そして今回の試行錯誤の過程も膨大な時間)をご一緒させていただきました。部分的にはこれまでも何度か演奏したりレコーディングしたりしてきましたが、全曲に取り組むのは初めてでした。
ご来場のお客様に呆れられてしまうかも…という危惧もあったのですが、面白くお聞きいただけたようで、こちらの予想以上に好評な回となりました。
第五回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2013年11月20日(水)
開演
19時開演
会場
銀座 王子ホール
演目
Duo05、もみぢ葉、solo 02、月光と海月
主催
福原 徹
後援
公益財団法人日本伝統文化振興財団、有限会社邦楽ジャーナル、邦楽の友社
振り返って
第2シーズンの二回目。
通算五回目となる「徹の笛」。
前回は笛とピアノだけという編成でしたが、今回は尺八にも加わってもらいました。
笛と尺八は、いずれも竹で作られた日本の伝統的な管楽器でありながら、一緒に演奏する機会はあまり多いとは言えません。
ぶつかるにせよ溶けあうにせよ、もう少し、共演・協奏することがあっても良いのではないか。
萩原朔太郎の詩を題材にした笛・尺八・ピアノによる作品をメインにしたプログラムで、共演者お二人の感覚、音楽、そして心強いご協力のお蔭もあって、先鋭ながらも柔らかな印象の会となりました。結果的に、お客様としては穏やかで聞きやすい会となったようで、好意的な反響がとても多かった回になりました。
第四回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2012年12月7日(金)
開演
19時開演
会場
銀座 王子ホール
演目
序曲ー能管によるー、長唄 黒髪、solo 01、林の中にいる象のように
主催
福原 徹
後援
公益財団法人日本伝統文化振興財団、有限会社邦楽ジャーナル、邦楽の友社
振り返って
第三回で「休止宣言」をしてから、6年ぶりの開催。
その間、通常の古典演奏活動のほかにも、自作品のCD化を進めたり、坪内逍遙訳のシェイクスピア作品を扱った曲を発表したり、以前から続いている野外コンサート「洗足池春宵の響」等、多くのご縁や機会を頂戴して様々な試みを続けていました。
しかし、ずっと見守って下さっていた師匠が2010年にご逝去。
そして翌2011年、東日本大震災。
これからは自分の足で進んで行かなくてはならない。
もしやりたいことがあるなら躊躇せずどんどんやらなくてはいけない。
そんな思いから、この会を再開することとなりました。小編成で共演者をなるべく少なくして、以前よりも小さな会場を選び、長く継続できる形で。
「第2シーズン」開幕。
第三回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2006年11月2日(木)
開演
19時開演(18時30分開場)
会場
紀尾井ホール
演目
シャコンヌ~無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第二番より~、地歌ゆき、男声独唱・笛・尺八のための三章 草の祈り、笛・太棹・ピアノのための 三重奏曲
主催
福原 徹
後援
財団法人日本伝統文化振興財団
助成
芸術文化振興基金、邦楽振興基金
振り返って
前回から1年半。初回から5年。三回目のリサイタル。
ここが正念場ということで、あえて厳しい構成で臨む。
バッハ「シャコンヌ」と地歌「ゆき」という、東西の超・名曲。
そして創作は、現代語の歌詞による謡・笛・尺八の新作と、笛・太棹・ピアノという異色の編成による作品。
これまで取り上げることを躊躇してきたような曲目ばかりで、入念に準備せざるを得ない状況に追い込むような形となり、共演者も負担が大きかったと思われます。密度の高い演奏会となり、お客様の反響も大きく、色々なご意見や感想を沢山頂戴しました。
自分としては、ある意味で「やり切った感」があり、今回をもってこの会を休止するという宣言をしました。
(この演奏会のライヴ音源は、のちにCD化(「徹の笛」)されました。)
第二回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2004年4月3日(土)
開演
14時30分開演(14時開場)
会場
紀尾井ホール
演目
Kyrieーキリエ、間奏曲、Dona nobis pacemードナ・ノビス・パーチェム、トキ、千年の桜
後援
財団法人ビクター伝統文化振興財団
振り返って
コンサートホールでの自作品を中心とした第一回が予想外の評価・反響を得たことから、自分なりに何らかの創作の修業が必須という思いに駆られ、2002年秋~2003年秋、ムジカーザという小会場で新作連続演奏会を一か月おきに催しました。その中での共演者とのコラボレーションの経験を踏まえ、さらに児童合唱を用いるなど、編成の異なる自作ばかり5曲のプログラムで第二回を開催。桜をテーマにした作品をメインに据え、春の紀尾井ホール(1階)を会場に選びました。
満開の桜効果もありお客様の反響は好意的でしたが、自作のみを並べた構成で、自分としては全く鍛えていない身体でボディビルの大会に出場してしまったような後悔に苛まれ、共演してくれた中川俊郎さんに後日その悩みを打ち明けることとなりました。
「それはね、福原さんが現代音楽の作曲家の仲間入りをしたということなんですよ。一緒に頑張って行きましょう。」
第一回 福原徹 演奏会
徹の笛
日時
2001年10月26日(金)
開演
19時開演(18時30分開場)
会場
津田ホール
演目
うた、長い旅、関寺小町、千の太陽、万の扉
助成
財団法人新日鐵文化財団
振り返って
初めてのリサイタル。
当時、それまで邦楽界で頻繁に使われていたホールの閉館が相次ぎ、その一方でいわゆる「コンサートホール」が続々と建てられていました。残響時間が長いので邦楽に適さない、緞帳などの邦楽・邦舞に必要な設備が無い…邦楽界の人々は使うことを躊躇していました。しかし、そんなことを言っていたら、私たちが演奏する場所が無くなってしまうのではないか?「コンサートホール」で演奏できる曲を作り、ホールに相応しいプログラムを組む…ということで、自作の創作3曲+古典1曲という構成で臨みました。
少しでも多くの方々にお聞きいただきたいという思いから、文化庁芸術祭に参加申請し、それが認められ参加公演となり、さらに思いがけないことに芸術祭大賞を受賞してしまいました。本人としては、何よりも驚きと、そしてこれから先どうするのかという緊張感を強く感じさせられた会となりました。
振り返って
長らくお世話になった国立劇場が建て替えのため休館になると聞き、最初で最後の初代・国立劇場での開催。ここ数年の「徹の笛」は、それほど広くない舞台で、小編成の曲で構成することが多かったのですが、この回は国立劇場で開催するということで、大きめの編成の曲もあり、また古典3曲と自作2曲という構成で、全体の出演者(助演者)も多く、「贅沢な」回となりました。
古典は、45年前に福原徹自身がここで初舞台として吹いた「もみぢ葉」、以前からこの会に掛けたいと思いつつ機会を待っていた「山廻り」、そして山田検校唯一の組歌である「初音曲」を、前年文化勲章を受章された山勢先生はじめ豪華なご助演者を迎えて演奏。
また自作は、同人参加している「創邦21」で発表した独奏曲「さあらば鈴をまいらせう」、若手・中堅演奏家と丁々発止の演奏を展開する「五調七管」。
充実かつ変化に富んだ演奏会となり、お客様からも多くの反響を頂戴しました。